洗い張りとは着物本来の美しさをよみがえらせるクリーニング技術

「洗い張り」とは、着物を一度すべてほどいて反物の状態に戻し、表地・裏地・胴裏それぞれを丁寧に洗い、再度仕立てる伝統的なメンテナンス技術です。通常のきものの丸洗いでは落としきれないシミやくすみも、職人の手作業によって一枚一枚洗浄し、着物本来の輝きを取り戻します。
「洗い」では、専用の洗剤と刷毛を使用して汚れをこすり落とし、徹底的なすすぎを行うため、生地を傷めずに仕上げられます。その後、「張り」の工程では、生地のサイズや形を整えるために、糊付けをしながら乾燥を行います。

このとき、端縫いや衿裏の細かい部分まで丁寧に調整し、ミシンではなく手縫い仕上げが基本です。
洗い張りは、長年使用されていない着物や、20年以上経過した大切な一枚のメンテナンスに最適です。特に着物の仕立て直しやサイズ調整を行う場合、洗い張りを利用することで美しい仕上がりが期待できます。 数年に一度のメンテナンスとして洗い張りを利用することで、着物の寿命を延ばし、長く愛用いただけます。

※生地の状態によっては洗い張りを行えない場合もございます。まずはお気軽にご相談ください。

こんな時は、洗い張り他の洗い方法との違い

きもののお手入れには「丸洗い(ドライクリーニング)」や「部分的な洗い」などの方法もありますが、「洗い張り」はそれらとは異なり、着物を一度すべて解いて反物の状態に戻し、表地・裏地・胴裏まで丁寧に洗浄・仕上げを行う伝統的で高度なお手入れ技術です。

特に以下のようなケースでは、「着物 洗い張り」の利用が最適です。

  • サイズ変更を伴う仕立て直しを行うとき
    着物を解き、端縫いや衿裏など細部まで調整しながら、理想のサイズへ調整可能です。
  • 20年以上メンテナンスされていないきものの場合
    長年の汚れや経年劣化によるシミやくすみを、生地の奥まで丁寧に洗い上げ、リフレッシュします。
  • 水濡れによって仕立てが崩れてしまった場合
    解いた状態でサイズやシルエットを整え、再度正確に仕立て直すことが可能です。
  • カビやにおいが気になるとき
    裏地や胴裏など、見えない部分の深部にまで対応できるのが「洗い張り」です。

なお、「洗い張り」ではミシンを使わず、職人が一針一針手作業で仕上げるため、デリケートな絹の質感や風合いを損なうことなくお手入れできます。

このように「着物 洗い張り」は、一般的な丸洗いでは対応できないきものの深部トラブルや構造的な修復にまで対応できる、本格的な仕立て準備としても理想の選択肢です。大切な着物を長く、美しく着続けるために、ぜひご検討ください。

着物 洗い張りのメリットと
注意したい点

着物を長く美しく保つための本格的なクリーニング・メンテナンス方法として、「洗い張り」は非常に効果的な手法です。
ここでは、「着物洗い張り」の主なメリットと注意点(デメリット)を、他の丸洗いや部分洗いとの違いも踏まえてご紹介します。

洗い張りのメリット

  • きものを解いて反物の状態に戻し、表地・裏地・胴裏に至るまで、手作業でしっかりと洗いを行うことで、生地の奥深くに染みついた汚れやシミ、カビなどを根本から除去します。
  • 絹本来が持つ光沢や風合いがよみがえり、衿裏や端縫いなどの細部も丁寧に処理されます。
  • 一度解くことでサイズの調整や仕立て直しがしやすくなり、きものを再利用しやすくなるのも大きな魅力です。
  • 特にリメイクや保管前のお手入れ、譲り受けた着物の再生には、洗い張りが最適です。

洗い張りの注意したい点

  • 通常の丸洗いよりも工程が多く、手間や時間、コストがかかります。
  • 生地の状態や劣化具合によっては、洗い張り自体が難しい場合もあります。特に古い胴裏や繊細な裏地には注意が必要です。
  • 洗浄後は新たな仕立てが必要となるため、追加の費用や日数が発生します。仕立て直しの料金に関しては、別途お見積りとさせていただきますのでご相談ください。

このように、「着物 洗い張り」は特別なお手入れ方法であるため、活用する際は目的やタイミングを見極めることが大切です。

着物洗い張りの価格相場と
当社の料金体系について

着物洗い張りを検討される際に、多くの方が気になるのがその費用感です。
ここでは、一般的なきものの洗い張りの価格相場と、当社の明確な料金体系についてご紹介いたします。

一般的な洗い張りの価格相場(2025年時点)

洗い張りとは、着物を一度解き反物に戻し、表地・裏地・胴裏を分けて丁寧に洗いを施す伝統的なメンテナンス法です。

以下は全国的な目安です。

小紋・訪問着などの一般的なきもの 8,000円〜12,000円前後
振袖・留袖などの華やかな着物 12,000円〜18,000円前後
長襦袢・羽織など 5,000円〜8,000円前後
※これらの料金には、端縫い・糊付け・乾燥・反物仕上げなどの工程が含まれていることが多いですが、仕立て直しは別料金となります。

当社の洗い張り料金体系

当社では、着物 洗い張りの品質と価格のバランスを重視しており、初心者の方にも安心してご利用いただけるように努めています。

小紋・紬・訪問着 〇〇円(税込)〜
振袖・留袖・色留袖 〇〇円(税込)〜
長襦袢・羽織 〇〇円(税込)〜

また、シミ抜き・衿裏の補修・胴裏の張り替え・サイズ直しなど、オプションでのご依頼も可能です。
必要に応じてミシンの利用も対応しております。解きや仕立て直しも、別途お見積りの上、職人の手仕事で承っております。

着物洗い張りの実際の流れ

着物洗い張り」を依頼するにあたり、どのような工程で進められ、
どれくらいの日数がかかるのか、仕上がりはどのようになるのかが気になる方も多いはずです。
ここでは、実際の作業工程と目安となる日数、仕上がりの特徴についてご紹介します。

【洗い張りの主な工程】

  • 汚れの分解・確認

    着物全体を丁寧に確認し、古い汚れやシミ、くすみなどを見つけ出します。色あせや柄落ちなどが見られる場合には、お客様に事前にご連絡し、ご希望があれば「色掛け」「柄入れ」などの補修作業も対応いたします。

  • ブラシによる手作業洗浄

    分解された汚れは、繊維を傷めないように専用ブラシで手作業で落とします。この工程が、洗い張りならではの丁寧なクリーニングです。

  • しっかりすすぎ

    洗浄後は、たっぷりの水で丁寧にすすぎ、洗剤や汚れの残留を防ぎます。

  • 自然乾燥

    生地の風合いを守るため、日陰で1~2日かけてゆっくりと乾燥させます。高温による生地ダメージを避けるため、自然乾燥にこだわっています。

  • 湯のしまたは伸子張り

    乾燥後は反物に蒸気を当てる「湯のし」を行い、シワを取りながら繊維のバランスを整えます。

    ※縮みにくい素材の着物には、反物に伸子を張って乾燥させる「伸子張り」を行います。

  • 仕上げ・アイロン掛け

    裏側から丁寧にアイロンをあてて、生地目を整えながら美しく仕上げます。

【納期の目安】

  • 通常は 2週間~3週間程度 を目安にお考えください。
  • 補修や色掛け、柄入れなどがある場合は、別途日数をいただく場合がございます。

着物洗い張り後の
お仕立て・寸法直しも安心

着物洗い張りの後の仕立てやサイズ直しは、きものの美しさと着心地を左右する非常に重要な工程です。
きものケア十日町では、日々友禅染めの制作に携わる熟練の職人が、手縫い仕立てで丁寧に対応いたします。洗い張りを終えた表地や裏地、胴裏などの生地をしっかりと見極め、美しく再生された一枚へとお仕立て直しします。

「昔のサイズが合わなくなった」「ミシンを使わず、すべて手縫いで仕立てたい」「生地が足りるか不安」「衿裏にシミがあって目立たなくしたい」といったお悩みにも柔軟に対応。
端縫いの状態や柄の位置なども丁寧に確認しながら、できる限りご希望に沿った修復・お直しをご提案いたします。

当店では、「丸洗いでは落としきれない汚れを洗い張りでしっかり落とし、その後の仕立てまでを一貫して行う」ことが可能です。これにより、着物の再生やリメイクを安心してお任せいただける体制が整っており、利用いただいたお客様からも高い評価をいただいています。
きものの再生やリフォームをご検討の際は、まずはお気軽にご相談ください。
伝統と技術に裏打ちされた職人の技で、大切なお着物を美しくよみがえらせます。

お客様の声・Q&A着物洗い張りは必要?

よくあるご質問(Q&A)

洗い張りって何ですか?

洗い張りは着物の本来の美しさを保ち、長くご利用いただくために、非常に有効なメンテナンス方法です。
通常の丸洗い(ドライクリーニング)では落としきれない裏地や胴裏に蓄積した汚れ、湿気、シミ、カビなどを根本から除去できます。これにより、表地や衿裏などの生地本来の風合いや光沢が蘇ります。
特に、サイズ直しや仕立て直しを行う前には、正確な寸法に整えるためにも洗い張りが推奨されます。

どこに洗い張りを頼めば安心ですか?

職人による高度な技術と豊富なきもの知識を持つ専門業者への依頼が安心です。
当店では、伝統の染織の街・十日町で活動する熟練の職人がすべて手縫いで対応し、ミシンを使わず丁寧に処理を行います。
洗い張りでは端縫いをほどいて仕立て前の反物の状態に戻し、表地・裏地・胴裏まで細かくチェックを行った上で、最適な処理をご提案します。
全国からの郵送によるご依頼も利用可能です。

. 洗い張りの頻度はどれくらい?

着用頻度や保管状態によりますが、一般的には3~5年に一度のペースでの洗い張りが理想とされています。
特に長期間タンスに眠っていた着物は、目に見えない汚れや湿気が生地に影響を与えることがあるため、丸洗いだけでは対応しきれない場合もあります。
定期的な洗い張りを利用することで、着物の寿命を延ばし、美しく着用し続けることができます。

着物 洗い張りでお悩みの方は
お気軽にご相談ください

「この着物は洗い張りできる?」「費用はどれくらい?」といった疑問も、まずはお気軽にお問い合わせください。お見積もり・ご相談は無料で承っております。
着物を次の世代へ大切に繋ぐために。洗い張りを通して、あなたの大切な着物に新たな命を吹き込みます。